タイミング法は何回くらいトライすればいいの?

2019.7.16

様々な数字「そろそろ子どもが欲しいよね」と考えるカップルは、まず避妊をやめて妊娠しやすいタイミングを計り、そのタイミングに合わせて性交渉を行うかと思います。それでも妊娠が難しいときは、不妊治療を専門とするクリニックを受診するのが近道です。医学的検査に基づき、性交渉のベストなタイミングについてアドバイスがもらえる「タイミング法」が受けられます。ここでは、タイミング法をいつまで続けるか、どの段階で次の治療ステップを考えるのか、そのおおよその目安についてお伝えします。

タイミング法は不妊治療の第一歩

妊娠を目指すなら、排卵日1~2日前が性交渉のベストタイミングと言われています。基礎体温を測ったり、薬局で売っている排卵検査キットを使えば、自分たちで排卵日を知ることができます。

しかし、そのような努力を続けていても妊娠が難しいことも。日本産科婦人科学会は、健康な男女が避妊せず、1年経っても自然妊娠しない場合を「不妊症」と定義しています。女性の卵巣機能障害や子宮内膜症、男性の無精子症といった病気が不妊の要因となっている場合があります。そうした要因があるか心配であれば、カップルで不妊専門クリニックを受診して調べてもらうことができます。その際、自身でつけていた基礎体温の記録があれば診断に活かすことも出来ますので、持参するようにしましょう。

男女ともに妊娠しにくい要因が見つからなければ、「タイミング法」が不妊治療の第一歩となります。超音波検査で卵子の成長を正確に調べ、ホルモン検査で排卵日を予測、ときには排卵をサポートする治療を受けながら、妊娠しやすいとされる排卵日の1~2日前に向けて、タイミングをとって性交渉を行います。

タイミング法はどのくらい続けるの?

とはいえ、タイミング法で確実に妊娠できるかどうかは分かりません。「今月も妊娠できなかった…」と、ガッカリしながら過ごすこともあるかもしれません。では、タイミング法はどのくらいの期間続けるのが良いのでしょうか。

タイミング法を初めて受けてから最初の月経・排卵周期(1カ月間)に妊娠できる確率は、およそ5%といわれています。意外と低く感じるかもしれません。しかし、タイミング法を始めて6カ月(6回目)までに、およそ5割の人が妊娠すると言われています。ですが、残念ながらその後はそれほど妊娠する確率は上がらず、2年くらいかけても6割程度にとどまります。そのため、タイミング法で妊娠に至らない場合は、1年をめどに次のステップに進んだほうが良いとされています。

ただし、女性の場合、35歳以降では妊娠率が急速に低下しますので、6カ月(6回)をめどに次の治療ステップを考えたほうが良さそうです。

自分たちに合った妊活を

タイミング法を受けて妊娠する確率、トライする回数や期間はあくまでも目安にすぎません。しかし、「避妊しないでタイミングさえ取れば妊娠できるはず!」と思っていたら、いつしか妊娠しづらいといわれる年齢になってしまった、という人も少なくないかもしれません。

タイミング法は不妊治療の中でも最も自然妊娠に近いので、女性の身体への負担が少ないというメリットがあります。とはいえ、排卵日を正確に予測するとなると検査を受けるなど通院が必要ですから、忙しい女性にとってはスケジュール面での負担が生じることは否めません。

また、タイミング法での妊活がカップルにとってプレッシャーになる可能性もあります。お互いが仕事で忙しい場合、あるいはパートナーが出張など家を離れる機会が多い場合、タイミングを取るのが難しいこともあるでしょう。妊娠を望むカップルのスキンシップが、お互いにとっての負担感や義務感に変わってしまっては、元も子もありません。

不妊専門クリニックでは、医師やカウンセラーから、そうした負担を解消するためのアドバイスを受けることも出来ます。妊娠したいと思ったら、カップルで不妊専門クリニックを受診して、早くから自分たちに合った妊活方法をトライしてみてはいかがでしょうか。

(文/メディカルトリビューン編集部)